まず根本的に時間外労働の割増賃金と手当の性質は別だと捉えておく必要があります。
手当はその業務に従事するために支払われているものであり、時間外労働は業務が就業時間外に及んだために発生するものです。
その中で手当を支払っているから時間外労働の割増賃金は払わなくて良いという解釈は間違っています。
手当がいくら支払われているかにもよりますが、時間外労働の割増賃金が手当を超える場合については超える部分を支払わなくてはいけません。
では、割増賃金の「固定払い」と「歩合払い」について説明します。
【割増賃金の固定払い】
裁判の判例から、時間外・休日・深夜労働の割増賃金の支払いにあたり、
①割増賃金を基本給の中に含める
②割増賃金の支払いとして定額の手当を支払う
ことにより、具体的な割増賃金の算出額に関わらず、一定額を割増賃金として支払う手法も取り得えます。しかし、その一定額が法所定の割増賃金額に不足する場合、その不足額は別途支払う必要があります。近年の裁判例では固定払いの有効性について棄却されるケースが多く、導入する際には就業規則に明記する必要があり、下記に留意しなければいけません。
❶就業規則に根拠規定を置く
❷金額(○万円)、割合(○%)で割増賃金に相当する部分を特定する。時間(○時間分)でも良いが、特定が出来にくいという難点
❸時間外割増、休日割増、深夜割増のいずれを含むのか、全部なのかを明らかにする
❹差額払いの定めを置く
❺多くの割増を含めると無効になる可能性がある(36協定上限の45時間分が目安)
【歩合払い】
労働基準法27条(出裁判の判例から、時間外・休日・深夜労働の割増賃金の支払いにあたり、来高払制の保障給)では、「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。」と定めていますが、歩合制であっても時間外労働の割増賃金は支払われるべきとの最高裁判例があります。
最高裁判決(平成6年6月13日 労判653号:高知県観光事件)
タクシー運転手に対する賃金が月間水揚高に一定の歩合を乗じて支払われている場合に、時間外及び深夜の労働を行った場合にもその額が増額されることがなく、通常の労働時間の賃金に当たる部分と時間外及び深夜の割増賃金に当たる部分とを判別することもできないときは、歩合給の支給によって労働基準法三七条の規定する時間外及び深夜の割増賃金が支払われたとすることはできない。
上記のように手当としての支払いが時間外労働の割増賃金分だと主張しても法律上は通りません。
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/var/rev0/0139/1618/2013327144331.pdf
手当はその業務に従事するために支払われているものであり、時間外労働は業務が就業時間外に及んだために発生するものです。
その中で手当を支払っているから時間外労働の割増賃金は払わなくて良いという解釈は間違っています。
手当がいくら支払われているかにもよりますが、時間外労働の割増賃金が手当を超える場合については超える部分を支払わなくてはいけません。
では、割増賃金の「固定払い」と「歩合払い」について説明します。
【割増賃金の固定払い】
裁判の判例から、時間外・休日・深夜労働の割増賃金の支払いにあたり、
①割増賃金を基本給の中に含める
②割増賃金の支払いとして定額の手当を支払う
ことにより、具体的な割増賃金の算出額に関わらず、一定額を割増賃金として支払う手法も取り得えます。しかし、その一定額が法所定の割増賃金額に不足する場合、その不足額は別途支払う必要があります。近年の裁判例では固定払いの有効性について棄却されるケースが多く、導入する際には就業規則に明記する必要があり、下記に留意しなければいけません。
❶就業規則に根拠規定を置く
❷金額(○万円)、割合(○%)で割増賃金に相当する部分を特定する。時間(○時間分)でも良いが、特定が出来にくいという難点
❸時間外割増、休日割増、深夜割増のいずれを含むのか、全部なのかを明らかにする
❹差額払いの定めを置く
❺多くの割増を含めると無効になる可能性がある(36協定上限の45時間分が目安)
【歩合払い】
労働基準法27条(出裁判の判例から、時間外・休日・深夜労働の割増賃金の支払いにあたり、来高払制の保障給)では、「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。」と定めていますが、歩合制であっても時間外労働の割増賃金は支払われるべきとの最高裁判例があります。
最高裁判決(平成6年6月13日 労判653号:高知県観光事件)
タクシー運転手に対する賃金が月間水揚高に一定の歩合を乗じて支払われている場合に、時間外及び深夜の労働を行った場合にもその額が増額されることがなく、通常の労働時間の賃金に当たる部分と時間外及び深夜の割増賃金に当たる部分とを判別することもできないときは、歩合給の支給によって労働基準法三七条の規定する時間外及び深夜の割増賃金が支払われたとすることはできない。
上記のように手当としての支払いが時間外労働の割増賃金分だと主張しても法律上は通りません。
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/var/rev0/0139/1618/2013327144331.pdf